互いを呼ぶ声が部屋の闇に溶けていく。
「じげ…んっ…」
「五右ェ門…」
3ヶ月ぶりの再会。嵐のような激情に身を任せ、会えなかった時間を埋めていく。
もう何度上り詰めたか分からない。
互いの体液にまみれた身体で、それでもなお快楽を貪るのは罪深きことだろうか。
「ここ…」
次元の伸ばした手が、胸の尖りを掠めた。
それだけでその指先の触れたところが、熱を帯びていく。
「く…は…ぅ」
無骨なわりに器用な指が、的確に五右ェ門を追い詰め追い上げてくる。
「気持ちいいか?」
熱に浮かされたようなかすれた声で囁かれ、それだけでぞくりと快感が背筋を駆け上がる。
穿たれたままゆらゆらと揺らされ、時にきつく突き上げられ、五右ェ門は甘い声をあげた。
「もっと啼けよ」
「だ…れがっ…」
背中越しにキッと睨めば、にやりと笑われて身体を返される。
「っぁ!!」
後ろから抱え上げられて座らされ、さっきまでよりもより深いところに進入される形になる。
「ちゃんと見ろよ」
「やめっ…」
五右ェ門の目の前にあるのは大振りの鏡。
クローゼットの内側に設置されたそれは、ドアを開けるとベッドからちょうどいい位置だということに気付いた次元の悪戯。
抱えあげられ足を開かされれば、嫌でも自分の痴態を目にせざるを得ない。
胸元に散ったキスマークも、腹に散った快楽の残滓(ざんし)も、足の間で揺れる五右ェ門自身も、次元を咥え込んだところも。
それを目にして赤くなる自分がまた淫らに見えて、興奮を隠せない。
「ンっ…急に締まったぜ」
「う…っるさ…い」
自分でもそれがわかるから始末に終えない。
次元は突き上げにあわせて揺れる五右ェ門にゆるりと手をかけた。
快感の露を溢れさせる先をなぞり、その露を塗りこめるかのようにして全体を扱く。
ついでに首筋をぺろりと舐めあげれば、五右ェ門はびくびくと身体を震わせて後ろ手に次元にしがみついた。
「イキそう?」
「あ…ふ…ぅぁ!」
さらに同時に強く中の敏感なところを攻めあげられれば、知らず涙を零して身悶える。
しがみつき、淫らに甘い声をあげるのは自分か。
快感に溺れた顔で啼く、鏡に映っている影は自分か。
「おぬしのっ…せい…だ、からなっ…」
この身体に、快感を教え込んだのは、次元。
この身体から、理性を剥ぎ取ったのも、次元。
鏡越しに自分の後ろを睨みつければ、次元はにやりと笑った。
「お前、…それは最高の褒め言葉だぜ」
ひときわ次元の動きが早くなる。
また絶頂が近い。それは五右ェ門も同じ。
「じ…げ…」
かすれた声で名前を呼び、身体の向きを入れ替える。
鏡には背を向け、向き合う形になって唇を求める。
この方がいい。本能にどこまでも忠実に、堕ちていけるから。
貪るように唇を重ね、自ら腰を振る。
「じげ…ん、もう…」
「あぁ、俺も」
自分の中に注ぎ込まれる熱を感じながら、五右ェ門は最後の理性を解き放った。
何度目か分からない白い欲望がお互いの身体を濡らしていく。
「五右ェ門…愛してんぜ」
うわごとのようにいつも囁かれる言葉。
「拙者も…だ」
この身体に、快感を教え込んだのは、次元。
この身体から、理性を剥ぎ取ったのも、次元。
だけどそれ以上に、この感情を与えてくれたのも、次元。
愛しいと思うこの心がある限り、死が2人を分かつまで共にあろう。
それが、この感情を与えてくれた男への、自分が出来ることだろうから。
大きな暖かい胸に抱え込まれそんなことを思いながら、五右ェ門は深い眠りの海へと堕ちていった。
Fin.
【あとがき】
唐突に始まりすぎだなぁ、と書いてから反省。
ゴエ目線って難しい…
えっち描写も…どれくらい書き込んでいいのか分からなくなる…
やっぱり次元変態チックだな!(笑)
でもゴエはそんなやつについて行くんだよ!(笑)
そして今日は強化月間最終日!お疲れ様でした!
'10/05/31 秋月 拝